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冴えない彼女の育てかた♭ 第2話「本気で本当な分岐点」 感想 続・詩羽ルート開始!

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

これより正式に冴えカノ本編のお話がスタートしました。

原作では5巻にあたる内容。表紙からわかる通り、霞ヶ丘詩羽のヒロイン回。この巻で冴えカノは一つのターニングポイントを迎えることになり、作品通しても重要な巻になります。

【caution!】感想記事です。ネタバレが含まれます。なお本記事はアニメ準拠につき、アニメより先の原作部分のネタバレはしない方向です。筆者のミスにより悪意無きネタバレが発生してしまう可能性もあります。ご容赦ください。

前回の感想はこちら。

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僕にとっての冴えカノ5巻

ちょっとよもやま話。

まだ原作の感想記事が書きあがっていないので、はじめに原作について少し触れておきたい。

僕が冴えカノの信者になったのも、この5巻を読んだことがきっかけ。1巻に満足できなかった僕はアニメ化が発表(たしか6巻が発刊した頃)されるまで、続巻を読んでいなかった。もちろん2巻から4巻は品質が向上して満足できたけど、ヒロインが魅力的だ。安定した面白さを提供してくれる安心できる作品くらいの印象をもっていた。 

「なら今度は凄くなれよ! 速くて、上手くて、安定したまま、凄くなってみせろよ!」
――冴えない彼女の育てかた3 第6章

まるで英梨々の問題であった「上手くて安定してるけど、"凄く"はない」が作品そのものを皮肉に語っていると、冷ややかな目でみていた。まだまだ僕には凄さがわからなかった時期。

そんな凄さを見つけたのがこの5巻。ここから冴えカノは変わっていく、どんどん凄くなっていく。だからアニメに対する期待もそれほど大きくなっていく。

感想

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c2017 丸戸史明深崎暮人KADOKAWA ファンタジア文庫刊/冴えない♭な製作委員会

本編の始まりとは、すなわちヒロイン毎のエピソード。冴えカノにおいて読者人気No2な毒舌黒髪ロング霞ヶ丘詩羽がヒロイン。

これがこの作品の大きな売り。ちゃんと各ヒロインの見せ場をきっちり決めて、読者にヒロインの魅力を提供する。ときどき詩羽先輩がヒロインに見えなくなってしまう僕でも、先輩かわいいって思えるのはさすが。

物語がうまく再構築されていて、キャラクターと物語の絡まりかたが原作を超えている。ちょっと気になる不満と不安があったけれど、視聴後に幸福感なんかやっぱりすごい。疲れやネガティブな気持ちを解消してくれる。やっぱりべた褒めになっちゃうなー。

Girl’s Side

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

詩羽のメイン回ながらも、英梨々と恵のGirl’s Sideに力が入っていて、二人のやり取りをもっと見ていたい。

お嬢様キャラを演じず、クリエイターとしての確執もない、ありのままを見せる英梨々。オタク趣味が話せる友達の存在はとても大切だよね。恵のような気さくな性格は相性ばっちりに見える。

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

自分を引っ張ってくれて、面白いことに巻き込んでくれる。そして趣味であるファッションのマネキンとして活用する恵。ここで買ったワンピースを倫也の家に尋ねるときに着ているんだ。

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

いつもラフな格好の英梨々なんだけど、倫也の目の前でおしゃれするのが初めてのシーン。ここ原作では英梨々の服装についての掛け合いがあるんだけど、カット。恥じらう英梨々の挿絵がかわいいんだけどなあ。

モブCGは動かないで!

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

ここが唯一の不満点。モブシーンにおけるCG利用はたまに見る。昔はアニメにCGなんていらないよ、と言われてきたそうですが、今では受け入れられて様々な活用がされている。

でも、これは悪い違和感。町の通行人を動かしたいけど、作画カロリーが高い。だからCGにするけど、通行人がぬるぬると動いているのが気持ち悪い。悪寒が走ってしまう。モブの主張が強すぎて、背景とのバランスが崩れてしまっている。

確かラブライブの劇場版で、背景の中にいる通行人たちが、これと同じようにCGだったのだけど、凄まじい違和感でうわっと声を上げてしまった。あれ以来、モブシーンにおけるCGには否定感が強い。フルCGアニメはすごく好きなんですけどね。バランスって大切。

シリアスとコミカル

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

この作品に対する唯一の不安が、シリアスとコミカル。そのバランス。

冴えない彼女の育てかたは、シリアスとコミカルが同居している。その両立が面白さであり、ダメなところでもある。

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

今回初めて波島兄弟が揃って登場したけど、あれこそがシリアスとコミカルの同居だった。表面的にはコミカルなオチだったけど、出海と伊織という、この作品初の敵キャラが登場したのである(敵といっても悪意をもった悪者ではない)

詩羽が示した第二稿。それを見てこの作品の解釈が変わると、英梨々に指摘された瞬間。ここにシリアス調の劇半が流れ、キャラたちの口調は真剣みが増していく。しかしすぐに茶化してしまう。あくまでシリアスは演出の一つですというように。

いままではこれで良かったが、これからはどうだろう。ただキャラが可愛いだけという認知が多いこの作品。それが売りであるけど、それだけじゃないってのは、予兆として見え隠れしている。

アニメは情報量が多いから伝わりやすい。その分、何を見せるのかが難しくなってくる。ここからが、アニメ冴えない彼女の育てかたの正念場だと、僕は考えている。

詩羽と倫也 その演出

メインコンテンツの詩羽先輩の扱いが、ちょっと難しい。

何書いてもネタバレになってしまうので、今回は演出面について述べたい。

二人の距離

霞ヶ丘詩羽は学校では上級生。サークルでは仲間。そしてオタクとしては、提供者と消費者。たった年齢が一つ違うだけでも、この二人の今立っている場所は、距離がある。

サークルでは倫也がプロデューサー&ディレクターという上の立場であるが、二人の本質的な立ち位置ってのは離れている。それを駅の階段で表現したのがここのシーン。

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

いつも見上げている彼。それを見下ろしているのが彼女。ただ創作という点において、二人は向き合っている。

それは歪な形。商業作家である詩羽が、ただの無名同人サークルに参加しているのは不自然な形。倫也との縁一つで成り立っていること、本来ありえない形であることを彼も自覚している。

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

それでも、自分から可能性をなくしてしまうのは、嫌だ。

だから卒業を機に離れようとする詩羽を引き留めた。

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

これに対し階段を下り、同じ目線になって最後のルート。その第二稿を渡した。

これが私たちの、私たちのゲームのもう一つの可能性。

二人の方向はまた……

もう一つの可能性を渡された倫也は、読まざるを得なかった。二人の関係が変わってしまったから。彼は責任を持たなくてはいけない立場になってしまった。

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冴えない彼女の育てかた #6 二人の夜の選択肢

そして良く見ているひとは気づいているだろう。二人の大切な時はいつも、電車が現れる。想いのすれ違いが、非常にうまく表現されている。それは今回でも同じ。物語は続いている。

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冴えない彼女の育てかた♭ #2 本気で本当な分岐点

おわり

だいぶ長い記事になってしまったので、キャラ項目はカットです。

それほど僕にとって大切なエピソードで、アニメ冴えカノの成功はここにかかっている。そう思わずにいられないです。

あ、あとやっぱりEDが最高ですね。映像がついてみると冴えカノの軌跡がきらきらして見える。

沢井美空の冴えカノ解釈=特に恵に寄り添っているのが目から鱗。男には永遠に分からない女の子のキモチってやつですね。

次回はこちら。

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TVアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』#3「初稿と二稿と大長考」予告映像